パチンコのギャンブル依存症への対策はある?規制の効果は期待できるのか?
フィーバー!
昔、おそらく自分自身もパチンコ依存症だった、元店長の”ななしー”です。
今回は、そんなパチンコにおけるギャンブル依存症について、僕の思うことを書いてみたいと思います。
カジノ推進法や東京オリンピックの関係で、ここ数年前からパチンコへ対する規制がかなり厳しいですよね。
ギャンブル依存症への対策など、様々な規制が叫ばれていますが、果たしてその効果を期待できるのでしょうか?
もちろん僕は、カウンセラーなどの専門家でもなければ医者でもありません。
ただのパチンコ業界人であり、一人のパチンコ好きに過ぎません。
そんな僕でも、パチンコのギャンブル依存症への対策として、今回ちょっと言いたいことがありましたので記事にしてみます。
今回は”読み物”記事ですので、先に結論を書きません。
暇な人は、順番に読んで行ってもらえれば嬉しいです。
パチンコ店は 本気で対策に取り組んでいない
先日ヤフーニュースで、パチンコ大手のマルハンさんやダイナムさんはじめ、大手5社がパチンコのギャンブル依存症について話し合われたということを知りました。
僕は、これ自体をどうこう言うつもりはありません。
むしろ良いことだと思っています。
しかし、批判を恐れず書きますと・・・
僕がパチンコ業界に長年いた率直な感想は、パチンコ店はギャンブル依存症対策へ全く本気で取り組む気はないということです。
僕がいたパチンコ店は、20店舗ほどのチェーン店があるかなりの大手です。
県内では、有名なパチンコグループでしょう。
でも本気で・・・と言うか、一度も社内会議などで、パチンコギャンブル依存症対策ついて話し合われたことはありません。
話題にすら、なったことないですね。
現在、本当にパチンコギャンブル依存症で悩んでいる人や、その家族の方には申し訳ないですが、これは事実です。
僕がいたパチンコグループだけが、特殊だったのでしょうか。
他のパチンコグループ会社では、真剣にパチンコギャンブル依存症についての対策を考えているチェーン店もあったかもしれません。
でも先ほどのヤフーニュースから、ようやく大手5社がパチンコギャンブル依存症への取り組みを始めたところです。
恐らくそれまでは、どのパチンコ店も全くパチンコギャンブル依存症への対策は考えていなかったと思えます。
パチンコギャンブル依存症の他に社会問題となったのが、小さい子供の車内放置です。
真夏の炎天下の車内で、一人取り残された小さい子供が命を落とすという痛ましい事件が、毎年パチンコ店の駐車場で起きています。
この車内放置についてのパチンコ店の対策はどうだったかと言うと、駐車場の見回りを強化しました。
警備員がいないパチンコ店では、スタッフが定期的に駐車場を巡回してチェックします。
もし小さい子供の車内放置を見つけた場合は、店内放送で呼び出す、もしくは緊急の場合は窓ガラスを割るなどの対策です。
ただ実際に親を呼び出したら、 トラブルになったという話も聞きます。
基本的にパチンコ店は、駐車場でのトラブルはお客さんの自己責任というスタンスです。
「パチンコを打ってくれさえすればいい、お金さえ使ってくれればいい」
これがパチンコ店の本音です。
しかしパチンコ店は、自分の店の駐車場で万が一死亡事故などが起きれば、悪いイメージがついてしまいます。
車上狙いも同じですね。
お客さんが減るのを防ぐために、駐車場の巡回をしています。
警備員を雇えば経費がかかりますし、スタッフを駐車場の巡回へ出せば人手が足りなくなります。
弱小ホールなどは、できればやりたくないと言う本音もあるでしょう。
近年はニュースになったこともあり、子供の車内放置にも対策に力を入れてますが、昔は駐車場なんか全く管理していなかったですからね。
本当に子供のことを思うのなら、夏ではなく冬でも車内放置をチェックすべきだと思います。
ペットの車内放置もありますよね。
子供の車内放置や車上狙いは、お客さんのためというよりも、パチンコ店自身のイメージダウンを防ぐための対策だと僕は感じます。
話をパチンコギャンブル依存症に戻しますと、こちらも同じくパチンコ業界のイメージダウンを防ぐための対策だと思うのです。
お客さんが、自己破産や家庭崩壊になるのを心配してではありません。
もしそうなら、とうの昔からパチンコギャンブル依存症の対策をしているはずです。
言ってみれば、パチンコギャンブル依存症や子供の車内放置の対策は、世間へ対しての「パフォーマンス」だと思います。
パチンコ屋に依存症対策の電話相談のチラシを張っていたりしますよね?
あんなものに電話できるわけないでしょう?
悩みはツイッターで明かしましょう。— たらこ (@uWl6zlyRq57Psqb) 2019年3月14日
依存症がなくなったら パチンコは潰れる
なぜ僕が、パチンコ業界は本気でギャンブル依存症への対策をしていないと思うのかと言うと、パチンコ依存症がなくなってしまったらパチンコ業界は潰れてしまうからです。
皆さんは、パチンコで一日いくら使えますか?
平均して、1ヶ月でいくらパチンコで使えますか?
例えば、1万円は大金ですよね。
アルバイトを1日して、ようやく稼げるのが1万円です。
一人暮らしの僕なら、1万円あれば一週間の食費が出ます。
でもパチンコに行けば、1万円は一瞬で無くなります。
もし、パチンコ店に来ている全てお客さんが「1万円は大金だ!これ以上お金を使うのがもったいない!」と思ったらどうなるのでしょう?
パチンコ店の売り上げは激減して、間違いなく潰れるでしょう。
パチンコギャンブル依存症と言っても、その程度にかなりの差があると思います。
・お小遣いは、全てパチンコで遊ぶ人
・給料をもらったら、全部パチンコに使ってしまう人
・借金してまでパチンコに行ってしまう人
様々です。
でも、こうしたヘビーユーザーの人たちがいるからこそ、今のパチンコが成り立っているのです。
僕は、スーパーで半額の食材を買ったり、職場へは家から水を持参したりと節約をしています。
数十円、数百円がもったいないのです。
でも、なぜかパチンコ店に行くと、1000円札が湯水のごとく吸い込まれていきます。
金銭感覚が狂っています、本当におかしいですよね。
儲かるかもしれない、勝つかもしれない、そんな期待で大金を使うのです。
これもパチンコギャンブル依存症だと思います。
冷静に考えたら、1日1万円パチンコで負けるだけでも、かなり大変なことですよね。
月にパチンコで10万円、20万円と負ける人もたくさんいます。
もう一度言いますが、金銭感覚のおかしいヘビーユーザーがいるからこそ、今のパチンコ店は成り立っているのです。
パチンコ店のサービスを見てください。
休憩コーナー、豪華ですよね。
無料のマッサージチェアや、読み放題のマンガコーナー。
携帯充電サービスもあります。
ドデカイLEDの看板は、電気代こそ安いものの初期費用は数百万円以上です。
立体駐車場なんか、建設費用は億単位のお金ですよ。
他のサービス業で、こんなこと考えられますか?
これらは、全てお客さんのお金で賄っているのです。
別の言い方をすれば、これだけ設備投資をしても、それ以上の収益が見込めるということです。
でもこれは、逆に言えばこれだけの収益がなければ、経費倒れしてしまうということにもなります。
パチンコ店は、一人一人のお客さんがお金にシビアになっては困るのです。
・もっと、どんどんパチンコにお金を使ってほしい
・持ち金は、全部パチンコで使って欲しい
・借金してでも、パチンコでお金を使って欲しい
そしてこれらに応えてくれる、パチンコギャンブル依存症の人がいなくなっては困る・・・。
これがパチンコ店の本音です。
パチンコ店も商売でやっている以上、利益を追求するのは当然のことです。
でもパチンコ業界は、大なり小なりギャンブル依存症の方の元に成り立っているのも事実です。
僕は、これがパチンコ業界が今まで本腰を入れてギャンブル依存症対策をして来なかった、一番の理由だと思います。
パチンコ業界にとって、ギャンブル依存症は必要なのです。
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規制はATMの撤去から
次にパチンコギャンブル依存症に対する、規制について書いてみようと思います。
まずやるべきことは、パチンコ店内にあるATMの撤去でしょう。
マルハンさんのATMは、全て撤去されたのでしょうか?
僕がいたグループ会社でも、店内にATMが設置してあるチェーン店は何店舗かありました。
このホール内に設置のATM。
お客さんの利便性を考えてという名目ですが、早い話が「金がなくなれば、貯金下ろしてまでもパチンコに使え!」ということですよね。
確かに今は、パチンコ店の近くにはコンビニがあります。
コンビニに行けば、ATMはあります。
一見すると、パチンコ店内のATMはそれほど意味がないように思えますが、やはり店内にあるのと店外にあるとでは全然違います。
パチンコ店の外に出れば一瞬でも冷静になる時間がありますが、パチンコ店内だとリーチがかかってる最中にでも、お金を下ろすことができてしまいます。
完全に負けが込んで、取り戻そうとする歯止めが効いていない状態にATMに行けるのです。
少なくとも、ホール内にATMが設置してあるグループ会社は、パチンコギャンブル依存症の対策を語る資格はないと思います。
まずは、店内ATMの撤去。
話はそれからでしょう。
そして警察は、パチンコ店内のATMを規制すべきです。
同時に、パチンコ店の敷地内に併設されているコンビニにも、ATMの設置を禁止すべきです。
僕も過去に経験がありますが、本当にパチンコで負けが込むと・・・
・負けた分を取り戻そう
・もう少しで当たりそう
・1回大当たりするまで帰れま10
・他の人に台を取られたくない
などと言う”危ない思考”になるのです。
僕はパチンコに行ったら、財布の中にあるお金は全部使っちゃいましたからね。
パチンコに行く前は、「今日は1万円だけにしておこう」と思っても、いざパチンコを打ち始めるとお金があるだけ使っちゃうのです。
完全に病気だったと自分でも思います。(今は、そんなことありません。)
ギャンブル依存症対策で、パチ屋の店内のATMを撤去するって決まったらしいけどさ。
まずパチンコ自体を規制すれば全て解決じゃない?
なんでそこは規制出来ないのかなー。
まさかパチ屋の上層の方ととても仲良しな政治家さんとかがいるのかなー。(白目)
— ゴン仁田 (@TheGonNita) 2019年3月13日
ギャンブル依存症対策ってなら、パチンコ景品の換金禁止が必須でしょ?
国会で議論されてるのに認めない警察おかしい
— たま (@agrilus) 2019年3月5日
「自分さえよければいい」
パチンコ業界には、「自分さえよければいい」という風潮が強いような気がします。
東日本大震災の時に行われた輪番停電(計画停電)。
その時に、一部のパチンコ店が営業を続けていて、世間の大批判を受けました。
震災の時にギャンブル場が営業しているなんて・・・。
パチンコ店は、かなりの電力を消費します。
「電気が来ているから、営業して何が悪い」と言われればそれまでです。
でもそんな大震災の時ぐらい、少しは営業を自粛するという考えはなかったのでしょうか?
やはりパチンコ店には、他人のことより自分のこと、自分さえよければ良い、という意識が根底にあるように思えます。
震災で計画停電が行われている時でさえパチンコ屋は普通に営業してました。
— ぺぷ (@sm_wc6) 2018年7月23日
そういえば、僕が店長をやっていた時の話です。
当時は、イベントが禁止されていませんでした。
ある人気雑誌に近隣のライバル店のイベントが載っていたのですが、それは”モロパクリ”のイベントだったのです。
パクリ元は、誰もが知っている有名食品メーカーの商品を”もじった”もの。
イベント名は商品名を、イベントのロゴは商品のロゴをそのままパクっているのです。
誰が見ても、一目で”元ネタ”が分かります。
本当はここで暴露したいですが、どこのホールか絶対にバレますのでヤメておきます(笑)。
「さすがに、これはマズいだろう・・・」
僕はそう思ってました。
案の定、そのライバル店は、後日組合から指摘されイベントを取りやめました。
一歩間違えれば、損害賠償モノの事件です。
でもこのライバル店に限らず、当時は流行りのものを”もじった”イベントがたくさん行われていました。
「自社の利益のためなら、他社の権利を侵害しても構わない」
言い換えれば、お客さんがギャンブル依存症になっても、それも構わない!?
そんな空気が、パチンコ業界には流れてましたね。
儲かればいい、自分さえ儲かればいい。
パチンコ業界には、モラルや常識というものが他業種よりも欠如していると思います。
根本的な解決方法はない
僕は、パチンコギャンブル依存症対策の、根本的な解決方法はないと思います。
パチンコが日本にある限り、少なからずギャンブル依存症の人はいるでしょう。
公営ギャンブルと違って、パチンコ店はあまりにも身近にありすぎます。
「犬も歩けばパチンコ店に当たる」です。
身近にありすぎるのも、ギャンブル依存症を生み出している原因の一つだと思います。
そして、パチンコ業界自身に”その気がない”のが一番の原因だと思います。
パチンコギャンブル依存症に本気で取り組んでいない。
今年になって、ようやく冒頭の5社のニュースです。
あまりにも遅すぎです。
でも、パチンコ業界の気持ちも分かります。
公営ギャンブルと違ってパチンコ店は民間企業ですから、会社が利益を自由に追求するのは間違っていません。
利益を上げて税金を納めれば社会貢献なりますし、人を雇えば雇用を生み出します。
それにパチンコは、風営法できちんと認められたギャンブルです。(正確にはギャンブルでなく「遊技」ですが・・・)
別にパチンコ店が営業すること自体は、全然問題ないと思います・・・・。
パチンコ屋。
別に 電力使ったからって
他に回るかって、言われても
回らんかもしれんけど
今の状況 考えて 自粛だろ
モラルの問題かと。
まぁ パチンコ中毒の人に言ったところで どーにもならんけど。
それを 餌にしてる 店も店だし— なおと (@90Naoto) 2018年9月7日
まとめ
今回は、僕の思うままに書いてみました。
様々な意見や批判もあると思います。
特にパチンコギャンブル依存症の当事者の方は、一刻も早く対策をして欲しいと思うことでしょう。
でも残念ながら、世間の思いとパチンコ業界とには、まだまだかなりの温度差があるように感じます。
規制をするのは監督庁である警察ですが、警察もパチンコ業界の組合へ天下りをしていますので、どこまで本気で規制するか疑問です。
それにいくらパチンコ業界と言えども、業界全体が衰退するまで追い込んでしまえば、さすがに恨みを買います。
あまりキツく規制をすれば、資本主義の自由競争に反しますからね。
警察も、カジノやオリンピックへ向けての一時的な規制強化という側面もあるでしょう。
パチンコ業界は、とにかくが浮き沈みが激しいです。
特に今はかなり沈んでいますが、またそのうち浮上してくる可能性もあると僕思っています。
その時は、ギャンブル依存症対策を”おざなり”にしている可能性があるかもしれません・・・。
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