パチンコの換金の仕組みは?景品交換所のシステムについて解説!

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パチンコって、何でわざわざ外にある怪しい小屋で換金するの?

あの小屋は買い取った特殊景品をどうするんだろう?

そもそもパチンコの換金システムってどうなってるの?

今回はこんな「パチンコの換金の仕組み」について説明します。

 

【先に結論】

・三店方式と言う仕組みになっています。

・問屋、換金所、ホールの3つのお店のことです。

・この3店を特殊景品がグルグル回ってます。

 

パチンコは違法ギャンブルではない

競馬や競艇で当たった時は、窓口に行けばその場ですぐに換金してくれます。

ネットで買っても自動的に払い戻しがされます。

でもなぜパチンコは、特殊景品という意味不明なものと一旦交換し、それをすぐ横にある怪しい小屋で換金する必要があるのでしょうか?

そのまま店内の景品カウンターで換金してくれれば、並ぶ手間が掛からなくていいのにって思います。

この理由は賭博罪と風営法いう法律が絡んでいるからです。

 

日本で賭博が禁止されているのは、知っていると思います。

店内でそのまま玉やコインを現金に換金してしまうと、賭博(ギャンブル)になり店も客も逮捕されてしまいます。

だから現金ではなく、景品(正しくは賞品)と交換しているのです。

特殊景品っていう変な名前がついていますが、タバコやお菓子などと同じ「景品」です。

パチンコで勝ったお客さんは、玉やメダルを景品と物々交換しているという仕組みなんですね。

 

なお、競馬や競艇が賭博にならないのは、法律で特別に認められているからです。

・競馬

・競艇(ボートレース)

・競輪

・オートレース

の4つが公営ギャンブルと言われています。

あと宝くじや、サッカーくじのtotoもそうですね。

「公営」ですから、その収益金は公共事業に使われたりします。

民間企業であるパチ屋が、公営ギャンブルとして認められることはないでしょう。

 

三店方式で違法性を回避している

パチンコの玉やメダルを換金したら違法になりますが、でもお客さんとしては換金できなければパチンコを打ちません。

ゲームセンターとは違いますから、換金することを目的で打ちに行っています。

では、どうやって違法賭博を回避しつつ換金しているのでしょうか?

 

それは三店方式という仕組みです。

読んでそのまま「3つのお店」というシステムを採用することにより、違法性を回避しているのです。

3つのお店とは、

・パチンコ店

・換金所(景品交換所)

・問屋(特殊景品の問屋)

の3つです。

よくカン違いする人がいますが、三店方式にお客さんは含まれません。

 

三店はすべて別会社で別経営

ここでのポイントは、3つのお店がすべて別会社ということです。

もし、問屋や換金所をパチ屋が経営しているなら、それは実質パチ屋が換金していることになり、これは賭博罪で違法になってしまいます。

だから3つのお店はすべて別経営の別会社。

資本関係もなければ、もちろん人的関係性もありません。

 

よくパチ屋と換金所は仲が良い?グル?とか言われますが、あれは思い込みです。

パチ屋からすれば、換金所がどんな会社なのか?働いているオバチャンは誰で給料は?なんか全然知らないです。

同じ敷地内ですぐ真横にある換金所ですが、本当にお互い無関係なお店なんですよ。

だから換金所がよく強盗に襲われたりしますが、パチ屋にとっては損害額は0円なんです。

 

自家買いは違法で逮捕される

この三店方式の仕組みを守らない換金方法は風営法違反で逮捕されます。

毎年、年に何度かニュースになりますが、いわゆる「自家買い」ってヤツです。

三店方式のうちの「問屋」を無視して、換金所とパチ屋だけの2店だけの仕組みにしてしまうとか、換金所をパチ屋が経営するなどをすることです。

 

なぜこんなことをするのか?

この理由は、特殊景品の流通コストを抑えるためです。(詳細はこのあと説明します)

早い話が自家買いした方が、たくさん儲かるわけですね。

今のパチンコは三店方式で違法性を回避していますので、ここをしっかり守らないとさすがに警察も黙っていません。

 

換金システムの大まかな流れ

では、パチンコの換金システムのおおまかな流れを説明します。

お客さんとしては換金所しか知らないわけですから、どんな仕組みになっているか?気になりますよね。

パチ屋と問屋とのやり取りなどもご紹介します。

 

換金所は特殊景品を問屋に売る

簡単に言えば、特殊景品が3つのお店をぐるぐる回っているだけです。

例えば、お客さんが換金所に持ち込んだ特殊景品。

「換金所は特殊景品を大量に買い取って、一体どうしてるんだ?」

「換金所は客に支払う大金をどこから調達して来るんだろう?」

って疑問に思いますが、換金所は特殊景品を問屋に売っています。

で、売ったそのお金をお客さんに支払う資金にしているのです。

 

ヒマな人なら1日中、換金所の周りをウロついていれば、問屋さんが特殊景品を買い取りに来るのが確認できます。

強盗と疑われる可能性があるので、おすすめはしませんが。

基本的に問屋さんが配達や集金で動いてくれます。

ホールと換金所は「店」にいるだけですね。

パチ屋の店員が問屋まで特殊景品を買いに行く、ってことはないです。

 

問屋はホールに特殊景品を売る

換金所から特殊景品を買い取った問屋はどうするか?と言うと、その特殊景品をパチンコ店に売ります。(卸します)

売ればお金が手に入るので、そのお金を次回の換金所への支払いに充てるのです。

パチ屋に景品問屋が来ているのを見たことないですか?

台車に大量の特殊景品を載せて納品に来る業者です。

地域により差がありますが、僕の店だと朝と夜の1日2回ハイエースとかで納品・集金に来てました。

 

特殊景品の納品数ですが、これはホールが問屋さんへ事前に電話やFAXで注文します。

店長などの役職者が、翌日の目標売上と目標割数から予想される景品売上を計算し、これに必要な分の特殊景品を発注する仕組みですね。

例えば売上が1000万円で割数が11割なら、景品売上は1100万円です。

つまり翌日は、1100万円分の特殊景品が必要になるわけです。

(タバコなどにも交換されるので、実際はこの数字よりも少なくなります)

 

「換金所から特殊景品を買い取り、ホールから注文があった分を卸す」

のが、問屋さんの主な役割(仕組み)です。

問屋さんはその地域の遊技業組合の数ホールと契約しているので、納品時にはかなり忙しそうな印象を感じますね。

 

お客は換金所に特殊景品を売る

パチンコ店は問屋から仕入れた特殊景品をどうするのか?と言えば、それをお客さんに売る(交換する)わけです。

「大景品…300玉、小景品…60玉」などのように、出玉に応じた特殊景品と交換します。

で、お客さんはその特殊景品を換金所へ売りに行く…。

以下、「初めに戻って繰り返す」となり、これが三店方式の主な流れになります。

 

三店方式には客が含まれないのでイメージが沸きづらいかもしれませんが、

・問屋

・換金所

・パチ屋(+客)

の3つで、グルグルと特殊景品とお金を回している仕組みだと思って下さい。

あと、もちろんパチ屋の収入源はお客さんです。

お客さんから巻き上げたお金を、問屋さんへの支払いに充てています。

 

現金は特殊景品と逆に流通する

このように特殊景品は、

問屋

ホール(客)

換金所

問屋

と流通しますが、これとは逆に現金は

問屋

ホール(客)

換金所

問屋

と特殊景品とは逆の流れで流通します。

特殊景品を3つのお店で売買して回しているわけですから、当然と言えば当然なんですけどね。

後日振込ではなく現金で支払う

なぜ、現金は逆向きで流通することを書いたか?と言うと、特殊景品の売買代金はニコニコ現金払いだからです。

後日、銀行振込ではありません。

通常、業者への支払いは請求書による「末締め翌月末払い」などが主流ですが、特殊景品は納品と引き換えにその場で現金で代金を支払います。

理由は現金を流通させる必要があるからです。

 

例えば、もしホールが問屋さんへの支払いを後日振込にしたら、問屋さんは資金不足になり換金所から特殊景品を買い取ることができなくなります。

問屋が換金所へ後日払いにしたら、換金所はお客さんへ支払う資金がありません。

だから特殊景品だけでなく、現金も一緒に流通させる必要があるんですね。

パチ屋も問屋さんが納品に来た際は、その場で現金で数百万~数千万と一括で支払っています。

 

後日払いでも、その会社に資金を回せるだけの余裕があれば別ですよ。

でもこの場合、ン十億ぐらい必要になると思います。

問屋さんも換金所もそんなに儲かる業種ではないので、さすがにこれは無理でしょう。

「現金払い=常に現金がある」わけですから、やはり強盗に狙われるリスクは高いです。

問屋さんのハイエースが襲われたとか、換金所が襲撃された、閉店後のホールに強盗が入ったっていう事件は、僕は何度も聞きました。

 

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特殊景品の売買の差額で儲けている

大まかになりますが、ここまでがパチンコの換金の仕組みです。

で、ここで気になるのが、どうやって問屋と換金所は儲けているのか?という点。

パチ屋は釘と設定を締めて当たらなくすれば、お客さんから儲けることができます。

でも問屋と換金所は、そうは行きません。

じゃ、どうやって利益を出しているのでしょうか?

これは特殊景品の売買価格の差額で儲けを出しています。

 

特殊景品の具体的な売買価格

具体例を挙げます。※数字は架空のものです。

小の特殊景品1つを200円で換金してくれる、換金所(景品交換所)があります。

換金所はお客さんから200円で買い取ったこの特殊景品を、今度は1つ201円で問屋へ売るのです。

そうすると1つあたり1円儲かりますよね。

 

次に問屋はこの201円で買い取った特殊景品を、ホールへ202円で売ります(卸します)。

そうするとこちらも、1つあたり1円儲かりますよね。

こんな感じで、売買価格の差で利益を出しているのです。

 

特殊景品は薄利多売な商売

「たった1円?」って思うかもしれませんが、実際には0.1円(10銭)単位で値段が決まっています。

201円30銭など。

少なくとも僕の店ではそうでした。

1つあたりの利益は少なくても、流通する数(量)が多いので金額としてはバカにできません。

1軒のホールあたり、1日で数千~数万個の(小の)特殊景品が出ますので、これが1か月…1年となればかなりの金額になります。

10銭ちがうだけでも、全然儲けが変わって来ますね。

 

換金所と問屋が実際にいくらぐらいの価格(利幅)で取引しているのかは、僕は聞いたことがないので知りません。

でも僕の店では、問屋さんから小の特殊景品を1つ202円ぐらいで仕入れていました。

(地域により異なりますし、同じ地域でも価格に変動があります)

換金所がお客さんから200円で買い取ったものを、問屋がこれを200円以上で買い取り、そしてホールに202円で卸しているわけです。

この1つあたり2円の差額の中に、換金所と問屋の利益が含まれていることになります。

 

でも実際には、この利益の中から諸経費を引いて残ったものがようやく純益です。

僕の感覚では問屋や換金所は薄利多売で儲からない業種だと思います。

 

自家買いで手数料を節約する

先ほど「自家買いで逮捕」をご紹介しました。

ホールは問屋を飛ばして換金所から直接、特殊景品を仕入れることができれば、その分だけコスト削減できて儲かるからです。

問屋さんから202円で仕入れるところを、換金所から201円で仕入れられればお得ですよね。

年間にすれば、数百万円ぐらい変わって来ると思います。

 

売上が大きく割数が高い方が儲かる

パチ屋には釘を開けたり、チラシを入れたりするなどの営業努力ができます。

でも問屋と換金所には、直接的な営業努力ができません。

パチ屋は出玉の上下で儲けをコントロールできますが、問屋と換金所は特殊景品の流通量だけで儲けが決まるからです。

 

例えばいくら換金所のオバチャンの愛想が良くても、パチ屋が出玉を絞れば特殊景品の流通量は減り、換金所の利益は少なくなります。

だからと言って、勝手に「今日から小景品は195円で買い取ります」ともできません。

これは問屋も同じで、特殊景品の売買価格が決まっている以上、問屋と換金所は数をたくさん捌(さば)くしか売上を上げる方法はないのです。

 

つまり潰れそうなガラガラパチ屋を相手している換金所や問屋は、はっきり言って儲かりません。

特殊景品の流通量が少ないからです。

また同じ規模の店舗でも、売上が多い(客が多い)ホールの方が換金所と問屋は喜びます。

さらに売上が同じでも、割数が高い(出玉が良く出る)ホールの方が換金所と問屋は喜びます。

特殊景品の流通量が多いからです。

 

問屋と換金所はホール次第の経営

とにかく問屋と換金所は「特殊景品をたくさん回してナンボ」な商売です。

でもホールの売上や客数・割数なんかは、どうしようもできないですよね。

これが問屋と換金所は営業努力ができない、という理由です。

悪い言い方になってしまうかもしれませんが、ホール次第の他力本願な経営になってしまいます。

でも逆に言えば、繁盛している大型店がいくつもあれば、何もせずにウハウハに儲かる商売とも言えます。

 

実は客が一番損をしている仕組み

実はこの特殊景品の流通の仕組みで、一番損をしているのはお客さんなんです。

先ほど「ホールは問屋さんから202円で仕入れている」と書きました。

ここで「え?」と思った人は鋭いです。

 

ホールが202円で仕入れた特殊景品を、お客さんは換金所で200円で売るわけです。

安く仕入れて高く売るから儲けが出るのに、202円で仕入れて200円で売ったら損しますよね?

でも、ホールはボロ儲けしています。

なぜか?

それはホールはお客さんに、小の特殊景品を1つ240円(60玉交換の場合)で売っているからです。

 

30玉/100円、60玉/200円の交換率のホールの場合、60玉x4円=240円で特殊景品は「売られています」。

お客さんは240円でこれを買い(交換し)、そして換金所で200円で売るので大損します。

ホールはと言うと202円で問屋から仕入れて、お客さんに240円で売るのでボロ儲けです。

これがいわゆる換金ギャップとか、貸し玉手数料と言われるものです。

 

「200円」というのは換金所の買い取り価格であり、パチンコ店には一切関係ありません。

特殊景品もタバコやお菓子と同じ景品と考えて下さい。

580円のタバコなら145玉で交換できます。

60玉の小の特殊景品なら、240円分の玉(つまり60玉)で交換可能です。

 

余談ですが、先ほどの景品売上1100万円の場合、小の特殊景品はいくつ必要か?についてです。

これは、

1100万÷240円=45,833個

となりますので、この数を問屋さんに発注します。

1100万÷200円ではありません。

一般の人がここまで理解する必要はないですが、パチ屋で役職を目指している人なら、これぐらいは知っておいた方が良いと思います。

 

 

【結論】パチンコを違法にすると別の問題が…

一部の人から定期的に言われるのが、

「三店方式は違法だ!パチンコは違法賭博だ!今すぐなくせ!」

と言う内容です。

これは難しい問題で、確かにパチンコはグレーな部分もあります。

でも一つだけ言えるのは、もしパチンコを禁止にしたら別の違法賭博が増えるという問題です。

 

パチンコってやってることは賭け事ですから、依存性があります。

だからパチンコを禁止にしても、必ずパチンコをやりたい人・辞められない人がいるので、その人たちに向けたアンダーグラウンドな違法賭博が蔓延します。

実際、違法スロット店が摘発されたニュースを見ていると、4号機が店内から運び出されていますよね?

そういうことなんです。

禁止にしても打ちたい人(需要)があれば、違法を承知で店を開く反社な方々がいるわけです。

 

これはお酒やタバコと同じで、例えば

「日本は明日からお酒禁止にします!製造も禁止!」

って法律を変えたとします。

でもお酒を飲みたい人はたくさんいるので、その人たちに向けたアンダーグラウンドなお店が増えて行きます。

 

結論として、何でもかんでも「違法!禁止!」とするのではなく、ある程度は認めないと逆効果になるってことです。

それにもともと三店方式は、反社な方々がパチンコ客から景品を買い取っていたのを、排除する目的で造られたシステムです。

だから三店方式を禁止にすると、再びアンダーグラウンドな方々が介入して来る危険性があります。

スマスロや時速8万発とかはさすがにやり過ぎだと思いますが、ある程度グレーな部分は世の中に必要だと僕は思います。

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